その機械・建物、固定資産税免除になるかもしれません


中小企業診断士の石村飛鷹です。

 

新たに購入する機械や建物において事前に自治体の認定を受けると、

固定資産税が3年間免除されるということをご存知でしょうか。

 

「先端設備等導入計画」の認定を受けた設備投資に対して、

固定資産税が3年間免除されるものです。

 

※従来は機械装置だけが対象だったのですが、

 2020年5月1日付で建物まで対象が広がりました。

 適用期間も2023年3月末まで延長されました。

 

固定資産税の税率は一般的に1.4%です。

 

仮に、1,000万円の機械(耐用年数10年)を購入し、

1億円の工場(耐用年数20年)を建設した場合、

それぞれ、以下の減税効果があります。

 

<機械>

1年目:1,000万円×1.4% = 14万円

2年目:   900万円×1.4% = 12.6万円

3年目:   800万円×1.4% = 11.2万円

小計37.8万円

 

<建物>

1年目:10,000万円×1.4% = 140万円

2年目:  9,500万円×1.4% = 133万円

3年目:  9,000万円×1.4% = 126万円

小計399万円

 

合計436.8万円!

 

※実際の税額は税理士の先生に計算してもらってください。

※計算を単純化するために初年度の減価償却はゼロとしています。

 

 

固定資産税は1月1日時点で機械や建物といった固定資産を

所有しているだけで否応なく発生します。

法人税のように赤字なら納税額が小さくなるものではありません。

 

新たな取得予定があれば、事前に「先端設備等導入計画」の認定を

受けておくべきです。

 

認定を受けておけば万が一、3年後に業績悪化していても

固定資産税の納税義務が免除されれば資金的・精神的にも安心ですので

ぜひ活用してください。

 

なお、ある自治体の窓口に「先端設備等導入計画」の認定を受けた場合の

税務申告手続きについて問い合わせたところ以下の回答がありました。

 

<機械>

  • 来年1月の償却資産申告書および種類別明細書において先端設備の課税標準額をゼロとして計算。
  • 償却資産申告書の「課税標準の特例」で「有」を選択。
  • 種類別明細書の先端設備の「適用」に「法第15条の47」と記載。
  • 工業会証明書の写し、認定を受けた計画の写し、認定書の写しの3点を添付。

 

<建物>

償却資産申告時の添付書類(計画の写し、認定書の写し)から

自治体が判断し、課税標準の特例を適用するので申告不要。

 

※上記はあくまで、ある自治体の対応を参考までに紹介するものです。

 実際の手続きは各自治体にお問い合わせください。

 

※本制度が適用されるのは全国1,647自治体です(うち1,642がゼロ(2020年3月末時点))。

※事業拠点のある自治体において適用されるかどうかは各自治体のウェブサイトをご確認ください。

本記事の筆者


石村 飛鷹(ひよう)

 

中小企業診断士、MBA(経営学修士)

いしむら経営コンサルタント事務所 代表

 

日本ヒューレット・パッカードにてIT統合コンサルティング、

東京商工会議所で経営指導員として数多くの中小企業向け

コンサルティングに従事したのち独立。

経営者だけでなく営業担当者、製造担当者を巻き込んで

利益改善を図ることを得意とする。補助金採択実績や講演実績も豊富。